土佐市の北部。醫王山の中腹にあるが、ここは「土佐和紙」「手すき障子紙」で知られる高知県の紙どころ。その源をたどると弘法大師と因縁浅からぬ霊場であることがわかる。「みつまた」をさらし、和紙を漉く重要な水の源泉として、信仰の厚い札所である。
縁起によると、養老7年に行基菩薩が行脚していたところ、この地で霊気を感得して薬師如来像を彫造した。これを本尊として堂舎を建て、「影山密院・繹木寺」と名づけて開山したのが初めと伝えられている。弘法大師が訪ねたのは弘仁年間(810〜24)のころ。本堂から300mほど上の岩上に壇を築き、五穀豊穣を祈願して閼伽井権現と龍王権現に一七日の修法をした。満願の日に金剛杖で壇を突くと、岩上から清水が湧き出て鏡のような池になったという。そこで山号や院号、寺名を現在のように改め、霊場とした。(四国八十八ヶ所会より)
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